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1962年7月29日、DJ KRUSH(本名:石井秀明)は東京で生まれた。1980年代前半に映画”Wild Style”に衝撃を受けたことがきっかけでヒップホップDJの道に進み、1980年代後半には原宿のホコ天(歩行者天国)でブレイクダンサーたちと共に活動。そこでMUROやDJ GOと出会い、ヒップホップクルー B-FRESH3、そして1MC2DJのユニットKRUSH POSSEを結成した。

KRUSH POSSEが1992年に解散した後、DJ KRUSHは一人でも表現できるヒップホップを追求し、ソロとしての活動を本格化させる。1994年に1st アルバム”KRUSH”をリリース。続いて同年、イギリスの独立系レーベルMo’ Waxから2nd アルバム”Strictly Turntablized”を発表すると、ヨーロッパを中心に大きな話題を呼び、当時アメリカ西海岸でDJ Shadowが起こしていたムーブメントと並んで「トリップホップ/アブストラクト・ヒップホップ」という新たなジャンルを象徴する存在となった。

その後も”MEISO(迷走)”(1995年)、”MiLight-未来”(1996年)、近藤等則とのコラボレーション作”記憶 ~KI-OKU~”(1996年)など、国内外のラッパーやミュージシャンを迎えながら独自のサウンドを追求し続けた。1995年にはDJ YAS、DJ KENSEI、DJ HAZU、DJ HIDEとともにDJ/プロデューサー集団 KEMURI PRODUCTIONS にも参加。ターンテーブルを単なる再生機器ではなく「楽器」として扱うDJ KRUSHのスタイルは、日本のヒップホップシーンのみならず、世界中のクラブシーン、フェスティバルで高い評価を獲得し続けている。

2017年にはソロデビュー25周年を記念して、自身初となる日本語ラップのみで構成されたアルバム”軌跡”をリリース。RINO LATINA II、5lack、OMSB、R-指定、呂布カルマ、志人、Meiso、チプルソといった世代を超えたラッパーたちを迎え、長年temptしていた「日本語ラップアルバム」という夢を実現させた。

2026年でDJ KRUSHは64歳になる。

▶︎”Kemuri” 1994年のアルバム”Strictly Turntablized”に収録された一曲で、同年にDJ Shadowとのスプリット12インチとしてもリリースされた。重く沈み込むようなビートと、和を感じさせるサンプルワークが特徴的で、DJ KRUSHの国際的なブレイクスルーを象徴する代表曲の一つとなっている。

▶︎”Song for John Walker” feat. Anticon 2002年のアルバム”The Message at the Depth”に収録された一曲で、アメリカのアンダーグラウンド・ヒップホップ・コレクティブAnticonのメンバーたちをフィーチャー。アフガニスタンでタリバン側として拘束されたアメリカ人ジョン・ウォーカー・リンドの事件を題材に、9.11後のアメリカ社会への批評的な視点を織り込んだ重厚な一曲で、DJ KRUSHの国際的なコラボレーションの広がりを示す楽曲だ。