MSCのPRIMALが、12年ぶりとなる最新アルバム『Nostalgie』をリリースした。
新宿を中心に活動し、漢 a.k.a. GAMIらを擁するヒップホップ・グループ・MSCの中心人物であり、約10年前より拠点を北海道に移していたPRIMAL。
前作『Proletariat』から実に12年ぶりとなるソロ名義の今作アルバムは、全14曲に及ぶ収録曲の大半をDOGG a.k.a. DJ PERROやMichita、Halt.、ながさきたけしといった北海道エリアのプロデューサーらがビートを手がけ、GOODMOODGOKUらとのコラボレーションでも知られるYusaku Araiも参加。
そして、ゲスト・アーティストには同じく北海道を拠点とするMCのYAS I AMやレゲエ・ディージェイのMAD KOHに加え、漢 a.k.a. GAMIやBES、そしてSAWにRUMIといった長きにわたり共にマイクを握ってきたMCが集結した。
ブルージーなビートを踏み締めるように紡がれるラップを聴くと、伝わってくるのはPRIMALの現在地。札幌、小樽、釧路、家族、労働、美学、哀愁、葛藤。都会を離れ、年齢を重ね、かつて「眠る男」と呼ばれたPRIMALの眼に映る人生が、ラップを通じて迫ってくる。
圧倒的な孤独さを感じさせつつも、通底するPRIMALの哲学は一貫性もあり、清々しささえ覚える作品に仕上がっている。