Hip-Hop史上、最も有名でありながら悲劇的な“遺物”のひとつが、約175万ドル(約2億円)で手に入るかもしれない。
1996年に2Pacが銃撃され致命傷を負った際に乗っていたBMWが、「Celebrity Cars Las Vegas」を通じて売りに出されている。これは、あの悲劇的な事件以降、この車両が初めて一般公開・販売されるケースとなる。
この車の価格は175万ドル(約2億円)。出品情報によると、直近のオーナーによって「銃撃事件以前の状態に戻すための全面的なレストアが施され、最近新たに塗装も行われた」という。
車両はブラックの1996年式BMW 7シリーズで、5.4リッターV12エンジンとブラックレザーの内装を備えている。ただし、約30年前に2Pacを襲ったドライブバイ・シューティング(車上銃撃)による痕跡が、今もわずかに残っている。
「弾丸の着弾点のひとつに該当すると考えられる小さなへこみが車体外部に残っていますが、非常に微妙で見分けにくいものです」とCelebrity Carsは説明している。
「また、内側のドアパネルとライナーを慎重にめくることで、弾丸が車内に貫通した正確な位置に残るオリジナルの溶接痕を見ることができ、この車両の歴史的価値をさらに裏付けています」
この“いわく付き”の唯一無二の車を所有できるだけでなく、購入者には「車両の所有権および歴史的来歴(プロヴェナンス)を証明する書類」も提供されるという。
車両の内部を紹介する動画も公開されている。
2Pacは1996年9月7日、Mike Tyson対Bruce Seldon戦の試合後、ラスベガスの交差点で赤信号で停車中、このBMWの助手席に乗っていた。運転していたのはSuge Knightだった。
2Pacは複数発の銃弾を受け、当時25歳という若さで、6日後にその傷が原因で亡くなった。一方、Suge Knightはかすり傷を負ったものの生還している。
この事件は、6か月後に起きた2Pacの盟友からライバルへと変わったBiggieことThe Notorious B.I.G.の殺害とも関連していると長年考えられており、25年以上にわたって未解決のままだった。しかし、2023年9月、Duane “Keefe D” Davisが逮捕されたことで大きく動いた。
ロサンゼルス出身の元クリップスのギャングリーダーであるKeefe Dは、この致命的な襲撃を主導した重要人物として告発されている。当局によれば、彼は犯行を計画しただけでなく、銃撃が行われた車に同乗し、さらに殺害に使われた銃を実行犯(1998年に死亡したとされる彼の甥、Orlando Anderson)に手渡したという。
この殺人罪の立証に使われた証拠の多くは、実はKeefe D自身の発言によるものだった。彼は2019年に出版した自著『Compton Street Legend』や複数のインタビューで、銃撃事件への関与を自白している。
62歳のKeefe Dは、2008年に連邦当局と結んだ情報提供合意によって、自身には免責があると誤って信じていた。しかし、ラスベガス警察はその合同捜査の合意に関与しておらず、さらにKeefe D自身がメディアで公に語った発言は、検察にとって十分に立件可能な材料となった。
Keefe Dの裁判は、度重なる延期を経て、8月10日に開始される予定となっている。