Sean “Diddy” CombsはBad Boy RecordsでThe Notorious B.I.G.と共に仕事をし、Biggie をスターへと押し上げた。しかし、少なくともBad Boyのアーティストの一部は、Biggie の契約内容がDiddyに有利すぎるものだったと述べている。Diddyの元ビジネスパートナーであるKirk Burrowesによれば、Diddyは Biggie の死後、その契約をさらに自分に有利な内容へ改ざんしようとしたという。Burrowesは、Diddyがこの事実を秘密にしたがっていたと主張した。
元Bad BoyのアーティストであるMark Curryは、Diddyから出版権の半分を奪われるような契約を強引に結ばれたと主張している。彼によれば、その契約で利益を得たのはDiddyだけであり、Biggieのような大成功を収めたアーティストでさえ例外ではなかったという。
Curryは著書 Dancing With the Devil: How Puff Burned the Bad Boys of Hiphopで次のように記している。
「俺はBiggieがBad Boyと契約した時と同じ状況にいた。BiggieはPuff (Diddy) が押し付けた契約書にサインした後、たった25,000ドル(約350万円)しか手にしなかった。」
BurrowesはBad BoyをDiddyと共同設立した人物だが、DiddyがBiggieの死後、その契約内容をさらにBad Boyに有利なものへ変更しようとしたと語っている。ドキュメンタリー Sean Combs: The Reckoningの中で、BurrowesはDiddyが契約の修正を極秘に進め、Biggieの家族には知られたくなかったようだと述べている。
Burrowesは、DiddyがBiggie の死後、契約内容をひそかに書き換え、Bad Boyにより多くの権利や利益が入るようにしようとしたと主張している。彼によれば、Diddyはこの計画をBiggieの母親Voletta Wallace や遺族に気づかれないように進めようとしていたという。
「Puff はその条項を書き換えて、より多くの利益を Bad Boy に入れようとしていた。彼は家族に知られたくなかったんだ」とBurrowes は語った。
さらに、Burrowes は Combs が自分の利益のために Biggie の遺産を利用しようとしていたことを暗に示し、Biggie の死後も契約がアーティスト側に不利な形で維持され続けたと説明している。
BurrowesやCurryの証言によれば、Biggieだけでなく、多くのBad Boy アーティストが似たような契約の犠牲になっていたという。Curry は次のように語っている。
「Bad Boy のアーティストで本当に儲かったやつなんて誰もいない。儲かったのは Puff (Diddy)だけだった。」
彼は当時の契約状況を「不平等で、アーティストにとって非常に不利な構造」と表現している。
Notorious B.I.G. のキャリアを支えたのはBad Boy Recordsだが、その裏側での契約交渉や金銭処理については、以前から様々な疑惑が取り沙汰されてきた。
今回の証言で、DiddyがBiggieの死後も契約の支配力を強めようとしたとされる話は、同レーベルにまつわるブラックボックスをさらに深めるものとなっている。