AY-Zが、香港出身のスーパースターJackson Wangとグローバルマネジメント契約を結んだ。契約はJay-Zが手がけるエンターテインメント企業Roc Nationを通じて発表され、アジア圏における同社の存在感をさらに拡大する動きとなる。今回の契約は、スポーツとエンターテインメント両分野で国際的な影響力を築こうとするJay-Zのより大きな戦略の一環に位置づけられる。
Roc Nationとは、2008年にJay-Zが設立したエンターテインメント企業。音楽レーベル機能に加え、アーティストマネジメント、スポーツ選手のエージェント業務、出版、ライブ制作までを手がける複合企業体で、Rihanna、Alicia Keysら大物アーティストが所属してきたことで知られる。単なるレコードレーベルではなく、契約したタレントのキャリア全体を設計する「総合マネジメント」の位置づけが特徴。
Jackson Wang (32)は契約発表に合わせ、新曲「Thank You」と、そのモノクロミュージックビデオを公開した。映像はOjun Kwonとの共同監督によるもので、iPhone 18 Proで撮影。80カ国以上から集まった応募者の中から選ばれた30人のファンが出演するという、ファンとの距離の近さを前面に打ち出した内容になっている。
Instagramの投稿でJackson Wangは、ファンとの直接的なつながりを重視する姿勢をこう語っている。
「仲介者やフィルターに、僕とファンの間に立ってほしくない」
GOT7から、ソロアーティスト・起業家へ
Jackson Wangは元々、韓国発のボーイズグループGOT7のメンバーとして国際的な知名度を獲得した人物だ。その後、自身のレーベルTeam Wang Recordsを立ち上げ、ソロアーティストとして成功を収めている。音楽活動にとどまらず、ファッション、クリエイティブディレクション、ライブエンターテインメントなど幅広い事業を展開してきた。
GOT7は2014年にデビューした韓国の男性アイドルグループ。メンバーは韓国・香港・タイ・アメリカ出身と多国籍構成で、Jackson Wangはグループの香港出身メンバーとして参加していた。グループ活動と並行してソロキャリアを築くケースはK-POP出身アーティストとして珍しくなく、Jackson Wangはその代表例の一人とされる
Roc Nationは声明の中でJackson Wangについて、「アスリート、アーティスト、起業家、クリエイティブディレクター——彼はカテゴリーに収まることを拒む存在だ」と表現し、あらゆる活動領域における彼の競争心の強さを強調した。
今回のJackson Wang契約は、Jay-Zが進めるより大規模なアジア投資戦略の一部でもある。中でも柱となるのが、韓国企業を投資対象とするグロースエクイティファンド「MarcyPen Asia」だ。エンターテインメント、ビューティー、ファッション、スポーツの各分野にまたがる企業への投資を計画している
グロースエクイティファンドとは、すでに事業として一定の成長軌道に乗っている企業に出資し、さらなる拡大を後押しする投資形態。スタートアップ初期段階に投資するベンチャーキャピタルとは異なり、比較的成熟したビジネスを対象とする点が特徴で、Jay-Zはこうした形でエンターテインメント業界の枠を超えた事業投資を積極的に進めている。
音楽レーベルとしての枠を超え、テクノロジー、飲食、投資ファンドへと事業領域を広げてきたJay-Zにとって、今回のJackson Wang契約は、アジア市場における人的ネットワークと文化的影響力をさらに強化する一手と言えそうだ。