1992年10月22日、本名Shéyaa Bin Abraham-JosephことSavageはイギリス・ロンドン、ニューアム区プレイストウで生まれた。7歳の時に家族とともにアメリカ・ジョージア州アトランタへ移り住み、イーストアトランタ(通称Zone 6)で育った。21歳の誕生日に起きた銃撃事件で親友を亡くすという悲劇を経験した後、その友人の叔父が資金を提供したことをきっかけに本格的に音楽活動を始める。Atlantaのミックステープシーンで頭角を現し、自身のクルーSlaughter Gangを率いながら、2016年にMetro Boominとの『Savage Mode』でブレイクを果たした。
Metro Boominとのタッグは21 Savageのキャリアの核だ。『Savage Mode』(2016年)に続く『Savage Mode II』(2020年)はBillboard 200初登場1位を獲得。Offsetを加えた『Without Warning』(2017年)も初登場4位となるなど、コラボレーション作品でも確かな実績を残している。
2018年の『I Am > I Was』はグラミー賞にノミネートされ、収録曲でJ. Coleを迎えた”a lot”は第62回グラミー賞Best Rap Songを受賞。これは21 Savage、J. Coleそれぞれにとって初のグラミー受賞となった。Drakeとのコラボレーションでも存在感を発揮しており、”Knife Talk”(2021年、Hot 100最高4位)や”Jimmy Cooks”(2022年、Hot 100初登場1位)は大きなヒットとなっている。Three 6 Mafiaからの影響を公言する、抑揚を抑えたダークで淡々としたフロウとミニマルなトラップサウンドは、後続世代のラッパーたちに強い影響を与えた。
2019年には、7歳で合法的に渡米したもののビザが失効していたことを理由にICE(移民税関捜査局)に拘束されるという出来事が大きく報じられ、移民問題や司法制度をめぐる議論を呼んだ。2023年にはグリーンカードを取得している。
2026年で34歳を迎える21 Savage。ロンドン生まれというルーツと、Atlantaのストリートで培った独自のスタイルを併せ持つ稀有な存在として、シーンの中心であり続けている。
代表作 Music Video
▶︎ “Bank Account” 2017年の『Issa Album』からのリードシングルで、Billboard Hot 100最高14位を記録した楽曲。淡々としながらも説得力のあるフロウが高く評価され、彼のスタイルを世に知らしめた一曲となっている。
▶︎ “a lot”(feat. J. Cole) 2019年公開のミュージックビデオは、映画『Cold War』や『The Godfather Part II』を想起させるビジュアルで、家族の集まりと警察との接触や投獄といった過酷な現実を交錯させながら描く。2020年のグラミー賞Best Rap Songを受賞した、21 Savageのキャリアを代表する一曲だ。