Luh Tyler

1996年に起きたTupac Shakurこと2Pac射殺事件で唯一起訴されているDuane “Keefe D” Davisが、自身の裁判を目前に控え、事件への関与を改めて否定する一方、当時Death Row Recordsのセキュリティ責任者を務めていたReggie Wright Jr.が事件を主導した人物だと主張していることが分かった。

米ローカルニュース局「8 News Now」の取材に対し、Davisは「自分は誰の殺害にも関与していない」と述べ、責任はWrightにあると示唆した。ただし、この主張を裏付ける具体的な証拠は提示されておらず、捜査関係者や私立探偵がWrightの関与を示す情報を集めているとDavis側が述べるにとどまっている。

Davisの主張には、Wrightが捜査当局に嘘の説明をし、メディア出演の際に自分の家族を脅したという内容や、Wright自身が事件当初から自らの名前を捜査線上に持ち出していた、といった指摘が含まれている。

一方、元コンプトン市警察官でもあるWrightは、こうした疑惑をこれまで一貫して否定してきた。Davisを起訴に導いた大陪審でも証言しており、事件当夜はTupac ShakurおよびDeath Row Records代表Marion “Suge” Knightのために、移動などのロジスティクス業務を担当していたと説明している。Wright側は、Davisの主張について「注目を自分からそらすための試みだ」としている。

検察側の証人には、Suge Knightのほか、ネバダ州知事Joe Lombardo、元ラスベガス市長Oscar Goodmanの名も挙がっている。有罪となった場合、Davisは仮釈放の可能性がない終身刑に処される見込みだ。

Grammy受賞アーティストのT-Painが、7月25日に行われたTwitchライブ配信の中で、2025年2月に投資会社HarbourView Equity Partnersへ自身の音楽カタログを推定1億ドルで売却した理由について語った。

T-Painはこの決断の背景について、Spotifyをはじめとするストリーミングサービスがアーティスト本人の許可なく楽曲の価値を目減りさせてきたと指摘。何よりも家族、とりわけ子どもたちの将来を守るためにこの売却を選んだと説明した。

「音楽業界に子どもたちの将来を委ねるつもりは一切ない。自分が残りの人生を送るのに、どれだけの金額が必要かは正確にわかっているからね」

今回の契約には、パブリッシング権(作詞・作曲に対する著作権管理権)に加え、一部のマスター音源権(録音物そのものに対する権利)も含まれている。しかしこの契約は、一度きりの売却で完結するものではない。

近年、米国の音楽業界ではアーティストが自身の楽曲カタログを投資会社やファンドに売却するケースが相次いでいる。Bob DylanやJustin Bieberなども同様の取引を行っており、ストリーミング時代の不安定な収益構造から離れ、まとまった資金を先に受け取る手段として定着しつつある。HarbourView Equity Partnersは、こうした音楽資産への投資を専門とするファンドのひとつ。

2025年11月に放送されたShannon Sharpeによるポッドキャスト番組「Club Shay Shay」への出演時の発言によれば、この契約にはT-Painが今後制作する、映画やCM向けの楽曲スコアやジングルなど、収益化可能なコンテンツに対する権利もHarbourView側に帰属する条項が含まれているという。つまり単発の金銭取引というより、今後も続いていくパートナーシップとしての性格が強い契約だと言える

「このカタログには、長年の努力、創造性、そして忘れがたい瞬間の数々が詰まっている」
「この新たな章にワクワクしているし、HarbourView Equityと手を組んで、自分の音楽のレガシーを守っていけることを嬉しく思う」

Auto-Tuneを駆使したサウンドでHip-Hop/R&Bシーンに独自の足跡を残してきたT-Pain。今回のカタログ売却は、彼が築き上げてきた音楽的遺産を長期的に守るための一手として位置づけられている。

Hip-Hop界を代表するラッパー、Nicki Minajが、自身のXアカウントで月額10ドル(日本円でおよそ1,500円)の有料サブスクリプション機能をスタートさせたことが明らかになった。しかし発表のタイミングが物議を醸している。彼女は現在、複数の高額債務をめぐって法廷闘争の真っ只中にあるからだ。

Minajは週末、Xの有料サブスク機能について案内し、次のように綴った。

“You can now subscribe to my X account. It’s for ppl who wanna have fun, think deeper, grow, learn, laugh, cry, cuss ppl out, look cute sometimes, be yourself at all times… elevate, levitate, meditate.”(訳)「今、私のXアカウントをサブスクできるようになったよ。楽しみたい人、深く考えたい人、成長したい人、学びたい人、笑いたい人、泣きたい人、誰かに悪態をつきたい人、たまには可愛くいたい人、常に自分らしくいたい人のために……高まって、浮かんで、瞑想して」

月10ドルの料金には、限定投稿や写真、音声チャット機能「Spaces」への参加権などの特典が付くという。

ファンの反応は真っ二つに割れた。あるユーザーは「Billionaire Barbie(ビリオネア・バービー)はどこへ行ったの?なんでTwitterのサブスクを乞い求めてるわけ?」と皮肉を込めて投稿した。ちなみに”Billionaire Barbie”とは、Minaj自身が長年掲げてきたセレブリティ・ペルソナで、富と華やかさを象徴するニックネームだ。一方で「限定コンテンツが待ちきれない」と歓迎する声も上がっている。

このタイミングでの有料化には理由がありそうだ。Minajは現在、少なくとも2件の高額債務訴訟を抱えている。1件は、2024年の著作権侵害訴訟で自身の代理人を務めた法律事務所Gordon Rees Scully Mansukhani LLPによるもので、未払いの弁護士費用229,541ドル(約3,400万円)の支払いを求めている。同事務所によれば、Minaj側が訴状に応答しなかったためすでに欠席判決(デフォルト・ジャッジメント)が成立しており、9月に本審理が予定されている。

もう1件は2026年3月、あるコンサート制作会社が起こした訴訟で、コンサート関連費用の未払いをめぐり約275,000ドル(約4,000万円)を求めている。これに対しMinaj側は、自身は当該契約の当事者ではないと主張し、争う姿勢を見せている。

相次ぐ訴訟の報道を受け、SNS上では「実は懐事情が厳しいのでは」といった憶測も広がっている状況だ。

Futureが、次のアルバム制作にすでに動き出している。前作が全米チャートで1位を獲得してからわずか1ヶ月足らずでの発表となった。

8月2日、FutureはInstagramのストーリーズで、アルバムの好成績への感謝をつづった。

「#1アルバムをありがとう。変わらぬ愛にはいつも心から感謝してる。1000%、次の作品はみんなのために」


同作『The Real Me』は7月10日にリリースされた、Futureにとって通算10作目のソロスタジオアルバムで、2024年の『Mixtape Pluto』以来となるソロ作品だ。全22曲収録、ゲスト参加(フィーチャリング)なしという構成ながら、初週にアルバム換算ユニット13万1000枚を記録した。

※「アルバム換算ユニット」とは、CDやデジタルでの純粋なアルバム売上に加え、収録曲のダウンロード数やストリーミング再生数を一定の比率でアルバム1枚分に換算し合算する、Billboard(米音楽チャート誌)独自の集計指標。米国の音楽チャートで広く採用されている。
この結果、本作はFutureにとって通算12作目となる全米No.1アルバムとなった。

今回のヒットにより、FutureはHip-Hop史上でも屈指の記録保持者に名を連ねることになった。全米No.1アルバム獲得数でEminemの持つ11作という記録を上回り、歴代5位に浮上。彼の上には、Jay-Z(14作)、DrakeとTaylor Swiftが並ぶ15作、そして最多記録を持つThe Beatles(19作)が控えている。

2018年8月3日、ペンシルベニア州ピッツバーグ出身のMac Miller(本名:マルコム・ジェームズ・マカーマック・マッコーミック)が5枚目のスタジオアルバム『Swimming』をWarner Recordsからリリースした。1992年1月19日生まれの彼は、ピッツバーグのスクワーリル・ヒル地区で育ち、15歳の頃から音楽制作を始めた。2010年代前半からインディペンデントなミックステープリリースで頭角を現し、「Best Day Ever」「Donald Trump」などで若いファン層を獲得。アルバムを重ねるごとに音楽的な深みを増し、本作はその円熟の頂点に位置するとも言われる。

『Swimming』はMac Miller自身がプロデュースの多くを手がけ(Dev Hynesや9th Wonderなどとのコラボも含む)、ジャズ・ソウル・サイケデリックが混ざり合う独自の世界観を構築した作品だ。グラミー賞の「Best Rap Album」にノミネートされたこのアルバムは、彼の音楽的成熟を高らかに示す傑作として批評家から高い評価を受けた。

アルバム名「Swimming」が示すように、本作は溺れそうになりながらも水面に浮かんでいることへの意思を表現している。先行シングル「Self Care」のMVでは、棺桶の中に生き埋めにされながら脱出する衝撃的な映像が、彼の精神的な葛藤と再生への意志を象徴していた。

しかし『Swimming』のリリースからわずか1か月後の2018年9月7日、Mac Millerは自宅でフェンタニルとコカインの混合物による急性薬物中毒で死去した。26歳だった。遺作となったこのアルバムに込められた「浮かんでいたい」という意志は、その後のあまりにも悲しい結末とともに、多くのリスナーの心に深い余韻を残し続けている。

2026年8月3日でリリースから8周年を迎える。

▶︎ Mac Miller – “Self Care”(2018)

Christian Weber監督による本MVは、Mac Millerが棺桶に生き埋めにされ、そこから自力で脱出するという衝撃的な内容だ。後から振り返れば予言的とも受け取れるこの映像は、彼が自らの内面の闇と真剣に向き合い、もがきながらも光へ向かおうとしていたことを伝える。彼の死後、このMVは世界中で何億回もの再生を記録した。

▶︎ Mac Miller – “Small Worlds”(2018)

『Swimming』のリード・シングル。穏やかなサマー・ソウルのビートの上に、日常の小さな幸せと内なる孤独が混在する繊細なリリックが乗る。Mac Miller最晩年の心象風景をもっとも美しく表現した一曲として、多くのファンが彼を偲ぶ際に真っ先に挙げる楽曲だ。