1978年10月20日、本名・古川竜一ことTOKONA-Xは神奈川県横浜市に生まれた。後に家族とともに愛知県常滑市へ移り住み、そこでヒップホップと出会う。芸名の「TOKONA」は「常滑」に由来する。1996年、17歳の若さで東京の伝説的フェス「さんピンCAMP」にDJ刃頭とのデュオでオープニングアクトとして出演。名古屋への強い誇りを込めたリリックは、当初は東京中心だったシーンから反発を受けたという。DJ刃頭とのユニットILLMARIACHIとして1997年に発表したデビューアルバム『THA MASTA BLUSTA』は、後にP-VINEから「金字塔的な作品」と評される一枚となった。EQUAL、AKIRAらとのM.O.S.A.D.としても活動し、2004年にはDef Jam Japanから初のソロアルバム『トウカイ×テイオー』をリリースしている。TOKONA-Xは2004年11月22日、26歳の若さで急逝した。
TOKONA-Xの最大の武器は、名古屋弁を大胆に取り入れた圧の強いフロウと、パーティー感あふれる過激な表現だった。当時のシーンの主流だった内省的なリリシズムとは一線を画すそのスタイルは唯一無二と評され、名古屋という一地方都市のシーンを全国区に押し上げた最大の功労者として今なお語り継がれている。2002年、札幌のTHA BLUE HERBとの間で巻き起こった一件(タトゥーの意味を巡る誤解から生まれたディス曲”EQUIS.EX.X”がきっかけとなった)は、結果的に彼を全国的な知名度へと押し上げる転機となった。
2004年のソロアルバム収録曲”知らざあ言って聞かせやSHOW”は、今も彼を象徴する代表曲として愛され続けている。没後は後輩DJ RYOWによるトリビュート曲”WHO ARE U?”が世代を超えて幾度もリメイクされ(2009年、2011年、2015年には般若も参加、2018年、2022年と続く)、2025年にはドキュメンタリー『KING OF BULLSH*T -THE SAGA OF TOKONA-X-』も制作されるなど、そのレジェンドとしての存在感は今も色褪せていない。
2026年で生誕48年を迎えるTOKONA-X。早すぎる旅立ちから20年以上が経った今も、名古屋のヒップホップシーンの象徴であり続けている。
代表作 Music Video
▶︎ “知らざあ言って聞かせやSHOW” 2004年のソロアルバム『トウカイ×テイオー』に収録されたこの曲は、TOKONA-Xの代名詞とも言える一曲。独特の名古屋弁フロウと圧倒的な存在感が凝縮された代表曲だ。
▶︎ “WHO ARE U?”(DJ RYOW feat. TOKONA-X) 後輩DJ RYOWが手がけたトリビュート曲で、その後10年以上にわたり世代の異なるMCたちを迎えて幾度もリメイクされてきた異例の一曲。TOKONA-Xが日本のヒップホップシーンに遺した影響の大きさを物語っている。