ブルックリンのマーシー・プロジェクト出身の無名ラッパーShawn Carterが、資金難の中でDame DashとKareem “Biggs” Burkeとともに自主レーベルRoc-A-Fella Recordsを立ち上げ、世に送り出した一枚。リリース当初のBillboard 200での最高順位は23位。しかし30年後の今、『Reasonable Doubt』はHip-Hop史上最高のデビューアルバムの一つとして揺るぎない地位を確立している。
「これが売れなかったら、ストリートに戻る」——その覚悟が生んだ名盤
Jay-Z自身が「自分の人生すべてをかけて作った一枚」と語るこのアルバムは、DJ Premier、Ski、Clark Kentらが手がけたビートの上に、ハスラーとしての経験とその葛藤を余すことなく叩き込んだ作品だ。The Notorious B.I.G.が客演した「Brooklyn’s Finest」、Mary J. Bligeをフィーチャーした「Can’t Knock the Hustle」、そして今なおHip-Hopの象徴的なトラックとして語り継がれる「Dead Presidents II」。チャートの数字こそ地味だったが、The Sourceから5つ星(満点)評価を受け、後世のラッパー全員に影響を与え続けた。GrammyホールオブフェームにはのちにRoc-A-Fella Records作品として殿堂入りを果たしている。
代表作 Music Video
▶︎「Dead Presidents II」(1996) Skiプロデュースの荘厳なビートに乗せ、ストリートと金と葛藤を語る名曲。Rolling Stoneが選ぶJay-Z楽曲トップ50で第2位に輝いた。
▶︎「Can’t Knock the Hustle」(1996) feat. Mary J. Blige アルバムのオープニングトラック。まだ無名だったJay-Zが、世界に向けて最初の一手を打った瞬間。