April 10, 2025

Rakim、Wu-Tang ClanのMasta Killa、そしてKuruptが、複数のヒップホップ界の重鎮を迎えたコラボレーションアルバムを制作中であることが明らかになった。タイトル未定のこの新作には、JAY-ZとEminemも参加する見込みだが、Rakim、Masta Killa、Kurupt Young Gotti本人がこの2人と直接バースを交わすかどうかはまだわかっていない。

A&RでプロデューサーのMatthew “Almighty M80” Markoffが、Rakim、Masta Killa、Kuruptによるアルバムのトラックリスト画像をInstagramに公開。その6曲目に、タイトル未定のトラックとしてJAY-ZとEminemの名前が記されていた。なお、この曲はインタールード(つなぎの短い曲)である可能性が高く、期待値は少し抑えておいた方が良さそうだ。

M80は投稿のキャプションで「AOTY 2026 — PUT SOME COT DAMN RESPEK ON MY NAME(2026年のベストアルバムだ、ちゃんと敬意を払え)」と記している。

アルバムの詳細はまだ謎に包まれているが、God MCと呼ばれるRakimは、昨年リリースした『The Re-Up』に続き、再び活発に動いている様子だ。その他参加アーティストには、KuruptのDogg Pound仲間であるDaz Dillinger、Ghostface Killah、Raekwon、Killa Sin、そしてSnoop Doggなど、こちらも豪華な名前が並ぶ。

JAY-Zについては、先のRoots Picnicでのフリースタイルでも健在のリリック能力を見せつけたばかり。一方Eminemの最新アルバムは2024年の『The Death of Slim Shady (Coup de Grâce)』で、最近ではJIDの『God Does Like Ugly (The Preluxe)』収録曲「Animals (Pt. 1」にも参加している。

ニューヨーク州マウントバーノン出身のプロデューサーPete Rockとラッパー CL Smooth。高校時代からの幼馴染である二人が、Elektra Recordsと契約し世に放ったこのアルバムは、ジャズ・ラップというジャンルの教科書として今も世界中で聴かれ続けている。

泣きながら作られた名曲が、永遠の定番になった

Pete Rockがある時、偶然Tom Scottのレコードを手に取り、そのサックスのフレーズを聴いて思わず涙を流した。それが「They Reminisce Over You (T.R.O.Y.)」の誕生の瞬間だった。友人Trouble T-Royの死を悼んで書かれたこの曲は、Hip-Hop史上最も美しい楽曲の一つとして語り継がれ、ビルボードHot Rap Tracksで1位を獲得した。アルバム全体もCD版は約78分、捨て曲ゼロという驚異的な構成で、ジャズ・ファンク・ソウルを縦横無尽にサンプリングしたPete Rockのプロデュース技術の集大成となっている。「T.R.O.Y.」は2009年にアメリカ議会図書館の国家録音登録簿(National Recording Registry)に登録された。

代表作 Music Video

▶︎「They Reminisce Over You (T.R.O.Y.)」(1992) Hip-Hop史上最高のトリビュート曲の一つ。Tom Scottのサックスをサンプリングした哀愁漂うビートと、C.L. Smoothの詩的なリリックが融合した不朽の名曲。

▶︎「Straighten It Out」(1992) アルバムの勢いを象徴するもう一つの代表曲。Pete Rockのグルーヴィーなプロデュースが光る、ゴールデンエイジ・ヒップホップの真髄。

1977年6月8日、ジョージア州アトランタで生まれ、イリノイ州シカゴのサウスサイドで育ったKanye Omari West。母Donda Westは英語学の教授であり、彼の芸術的感性を育んだ最大の存在だった。大学を中退してプロデューサーとしてのキャリアをスタートさせたKanyeは、Jay-Zの2001年作『The Blueprint』でのプロデュース仕事で業界に名を轟かせ、その後ラッパーとしての地位も確立させていった。

Hip-Hopの定義を何度も更新した男

Kanyeの偉大さは、一つのスタイルに留まらなかったことにある。ゴスペルとソウルサンプリングを融合させた『The College Dropout』(2004年)でデビューし、以降『Late Registration』『Graduation』『808s & Heartbreak』『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』と、アルバムごとに全く異なる音楽的挑戦を続けた。ファッションブランドYeezyの立ち上げ、独自レーベルGOOD Musicの設立など、音楽の外側でも時代を動かし続けた。Grammyを24回受賞したという事実が、その実力を物語る。

現在は様々な物議を醸す言動で批判を受けることも多いが、Hip-Hopの地図を塗り替えた彼の音楽的功績は否定できない。2026年、彼は49歳の誕生日を迎える。

代表作 Music Video

▶︎「Gold Digger」(2005) feat. Jamie Foxx Ray Charlesの「I Got a Woman」をサンプリングした、シカゴ出身のスターが世界へ飛躍した瞬間を象徴する一曲。リリースから1週間で8万ダウンロードという当時の記録を打ち立てた。

▶︎「Stronger」(2007) Daft Punkの「Harder, Better, Faster, Stronger」をサンプリングし、Hip-HopとEDMを融合させた革命的な一曲。Kanyeがスタジアムを埋める存在になった瞬間。

JAY-Zが帰ってきた——そして容赦しなかった。

5月30日、JAY-ZはフィラデルフィアのFairmount Park内、Belmont Plateauで開催された年次コンサート「Roots Picnic」にヘッドライナーとして登場。本編に入る前に、アカペラのサプライズフリースタイルを披露し、自分に向けてきた複数の人物に対して一斉に反撃を見せた。

ターゲット別:JAY-Zが放った言葉


→ Drake へ

“Ni**a, I’m up 10/Wrong chart, champ, you gotta look up again/Nias look up to Hov, I never looked up to them/Them crackers got your publishin’, gangster, go talk tough to them/Don’t talk success to me, you ni**as is workers/In perpetuities, how your contracts is worded.”
Drakeが『Iceman』でJAY-Zをサブリミナルディスしたことへの返答とみられる。「チャートを見直せ、俺は10点リードしてる。みんな俺を見上げてる、俺は誰も見上げたことない。お前らの出版権はあいつらに持っていかれてる——そっちに吠えてみろ」といった内容で、契約面での弱さを指摘するラインも含まれていた。

→ Dame Dash へ

“Another one fumbled his, wonder how I get the blame?/Ni**as’ teeth is tumblin’ out their mouth and somehow I’m the one who done it, there’s a murder mystery, gang,” Hov spit.
かつてのビジネスパートナーへも言及。「また自分でしくじっておいて、なぜか俺のせいにされる。歯がボロボロ落ちてるのに俺が犯人扱い——まるでミステリーだ」と暗にDameの現状を揶揄した。

→ Nicki Minaj へ

“That lady back on the stuff, she sound like she in love with him/Her Ken can’t even p— take they kids, enough of them.”
「あの女はまたやってる、まるで彼に恋してるみたいなサウンドだ。彼女のKenは子供さえ連れて行けない」という、Nickiとその夫Kenneth Pettyを示唆するラインを披露。

→ Ye へ

“You ever heard of a wunderkind?/My children is some of them, have you nias no shame?” Jigga rapped. Y’all tryin’ to get under skin/I really get under skin, ask Un how I’m playin’/Y’all thugs with y’all thumbs again/Everybody think they’re the ones insane/You’re no maniac, watch how sane he act in my presence, nias shrink.”
昨年Yeが自分の子供たちをディスしたことへの返答とみられる。「神童ってものを知ってるか?俺の子供たちがそれだ。恥というものを知れ」とラップし、「俺の前に立てば正気に戻る」と威圧した。

Roots Picnicという大舞台でのサプライズフリースタイルで、Hovはヒップホップシーンにおける自身の地位を改めて世界に示した形だ。


ミシガン州デトロイト出身のShawn Marshall Mathers III、通称Eminem。1999年の『The Slim Shady LP』でDr. Dreに見出されメジャーデビューを果たした彼は、翌2000年5月23日、自身の本名を冠した3枚目のアルバム『The Marshall Mathers LP』を世に送り出した。初週売上178万枚という当時のソロアーティスト史上最速記録を打ち立て、Billboard 200では8週連続1位を獲得。最終的に全米ダイヤモンド認定(1100万枚以上)、世界累計3200万枚以上を売り上げた、Hip-Hop史上最大のアルバムの一つだ。

Dr. Dreがほぼ全編のプロデュースを手がけたこのアルバムは、Slim ShadyというコミカルなキャラクターをEminemが脱ぎ捨て、一人の人間Marshall Mattersとして突撃した作品だ。母親への怒り、元妻Kimへの憎悪と愛憎、突然の名声がもたらした孤独——すべてが剥き出しのリリックで刻み込まれている。あまりの過激な内容に米上院公聴会で槍玉に挙げられ、カナダ政府が入国拒否を検討したほど社会的騒乱を引き起こした。しかし批評家はそれとは真逆の反応を示した。Rolling Stone、Time、XXLなどが揃って2000年最高のアルバムに選出し、翌2001年のGrammy AwardsではBest Rap Albumを受賞した。

「Stan」という楽曲が生んだ文化的影響も計り知れない。熱狂的ファンを意味する”stan”という言葉は今や英語の辞書に載る公式な単語となり、Eminemがこの一曲でポップカルチャーの語彙そのものを書き換えたことを証明している。

▶︎「The Real Slim Shady」(2000)
アルバムの顔となったリードシングル。白いタンクトップ姿のEminemたちが病院を駆け回るカオスなMVは、MTV Video Music AwardsでVideo of the Yearを受賞。Britney Spears、NSync、Christina Aguileraら当時のポップスターを一刀両断しながらもユーモアたっぷりに仕上げた、Eminem節全開の一曲。

▶︎「Stan」(2000) feat. Dido
Didoの美しいサビとEminemの狂気的なリリックが融合した、Hip-Hop史上最も影響力のある楽曲の一つ。熱狂的ファンの手紙という形式で語られるこのナラティブは、ポップカルチャーに”stan”という新語を生み出し、オックスフォード英語辞典に正式収録された。