同作『The Real Me』は7月10日にリリースされた、Futureにとって通算10作目のソロスタジオアルバムで、2024年の『Mixtape Pluto』以来となるソロ作品だ。全22曲収録、ゲスト参加(フィーチャリング)なしという構成ながら、初週にアルバム換算ユニット13万1000枚を記録した。
Christian Weber監督による本MVは、Mac Millerが棺桶に生き埋めにされ、そこから自力で脱出するという衝撃的な内容だ。後から振り返れば予言的とも受け取れるこの映像は、彼が自らの内面の闇と真剣に向き合い、もがきながらも光へ向かおうとしていたことを伝える。彼の死後、このMVは世界中で何億回もの再生を記録した。
Public Enemyが登場した1980年代後半のアメリカは、ロナルド・レーガン政権が進める新自由主義政策の下で、黒人コミュニティが経済的・社会的に追い詰められていた時代だった。Chuck Dはそのリアルを、ラジオのアナウンサーばりの重厚な低音ボイスで容赦なくラップに刻み込んだ。
1988年リリースのセカンドアルバム『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』は、Hip-Hop界における政治的表現の到達点として、ローリング・ストーン誌「500 Greatest Albums of All Time」にも名を連ねる金字塔だ。続く1990年の『Fear of a Black Planet』に収録された「Fight the Power」は、スパイク・リー監督の映画『Do the Right Thing』の主題歌として制作され、公民権運動の精神をHip-Hopで引き継ぐアンセムとして今も世界中で演奏され続けている。
Chuck Dはまた、1988年には「Self-Destruction」プロジェクトでStop the Violence Movementを牽引。KRS-One、MC Lyte、Heavy D.らと連名で黒人コミュニティ内の暴力に反対する声を上げ、収益を全額ナショナル・アーバン・リーグに寄付した。ラッパーであると同時に活動家であり、思想家でもあった彼の存在は、Hip-Hopが単なるポップミュージックを超えた社会変革のツールであることを証明してきた。
2026年、Chuck Dは生誕66周年を迎える。
▶︎ Public Enemy – “Fight the Power”(1989)
スパイク・リーが監督したこのMVは、ブルックリンの街頭を舞台にした大規模なデモ行進と、Chuck Dの激烈なラップを交錯させた映像詩だ。エルヴィス・プレスリーやジョン・ウェインを名指しで批判するリリックは当時大きな議論を巻き起こし、ローリング・ストーン誌の「500 Greatest Songs of All Time」でも高く評価された。Public Enemy最大の代表曲にして、Hip-Hop史において永遠に語り継がれる一曲。
▶︎ Public Enemy – “Don’t Believe the Hype”(1988)
『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』収録のシングル。メディアのプロパガンダと情報操作に対する鋭い批判を込めた一曲で、チャートでの成功と批評的な絶賛を同時に勝ち取った。ボム・スクワッドによるサンプルを幾重にも重ねたビートは、当時のHip-Hop制作の常識を塗り替えるものだった。
2017年にはソロデビュー25周年を記念して、自身初となる日本語ラップのみで構成されたアルバム”軌跡”をリリース。RINO LATINA II、5lack、OMSB、R-指定、呂布カルマ、志人、Meiso、チプルソといった世代を超えたラッパーたちを迎え、長年temptしていた「日本語ラップアルバム」という夢を実現させた。
▶︎”Song for John Walker” feat. Anticon 2002年のアルバム”The Message at the Depth”に収録された一曲で、アメリカのアンダーグラウンド・ヒップホップ・コレクティブAnticonのメンバーたちをフィーチャー。アフガニスタンでタリバン側として拘束されたアメリカ人ジョン・ウォーカー・リンドの事件を題材に、9.11後のアメリカ社会への批評的な視点を織り込んだ重厚な一曲で、DJ KRUSHの国際的なコラボレーションの広がりを示す楽曲だ。